こんにちは、ノーシュン(@nonoblog0919) です!
本記事では、ブランドとは? ブランディングとは?という疑問に答えていきます!
マーケティングで頻出の「ブランド」という言葉ですが、大学や実務で使わない限り、理解を深める機会はないですよね、、、
この記事では、ブランドの基礎を理解してもらうことを目的としています
目次
日常とマーケティングでの「ブランド」の違い
皆さん、「ブランド」ときいて何を思い浮かべますか?
ドルチェ&ガッバーナ、シャネル、エルメス...などの高級品を思い浮かべる人が多いのでは?
もちろんこれらはブランドに当たるのですが、マーケティングにおけるブランドはもっと広義なものです。
インターブランドという企業が毎年ブランドランキングを出しているので、少しみてみましょう!
あれ、高級ブランドが見当たらないね。
僕たちが普段目にする企業もブランドなんだよ!
そう、ブランドは高級品とは限らないのです。
そして何より奥が深いんですよブランド論っていうのは!!
今回の記事は、ブランドの定義や範囲、そもそもブランドって何なの?のような基礎的なところについて書いていきます。
到底1回の記事では収まらないので数回に分けて、より詳しく書いていく予定です!!
ブランドの定義
ブランドの定義は様々ありますが、頻繁に引用されるのはアメリカ・マーケティング協会(AMA)の定義です。
個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの
アメリカ・マーケティング協会
ここで大事なのはブランドが名称やシンボルだけでなく、言葉や記号、デザイン、あるいは組み合わせたものなど広い範囲のものを指していること
Appleを例に考えてみましょう
Appleといえば、名前の通りリンゴのシンボル、欠けたリンゴのロゴが思い付きますよね。ただ、Appleをカッコいいと思う理由はそれらだけでしょうか?
例えば、MacBookの商品としてのデザイン性、カリスマ経営者スティーブ・ジョブスの生涯ストーリー、Apple Storeの洗練された内装...
このように私たちはロゴやシンボルだけでなく、他の色々な要素を認識して「あ、これはAppleのものだ」とブランドを識別するんです!
ブランドの役割
ブランドの定義がわかったところで、企業が強いブランドを持つことの意味ってなんなのでしょうか? なぜさっき紹介したInterbrandのランキングが毎年注目されるのでしょう?
答えは単純。ブランドを持つことで「有利」になるからです!
私たちは普段何気なくブランドという言葉を使っていますが、企業にとっては物凄いたくさんのメリットがあります。
それぞれ解説していきます!
強いブランドは何度も買われる
ブランドを持つと一定レベルの品質が保証されます。そして私たち人間は損をしたくない生き物です。「どうせ買うならリスクを負わないで、間違いのないものを買おう!」って思うんですね。
*ちなみに得をするより損をしない行動をとることをプロスペクト理論と言ったりします。
そして、何回もこのような行動を繰り返していくと、特定のブランドを好きになることがあります。(僕もAppleの製品大好きです笑)
このような特定のブランドに対する愛着や忠誠心を「ブランド・ロイヤルティ」と言い、これが高いと1人のお客さんが企業に落としてくれるお金が大きくなり売り上げの増加に繋がっていきます!
高い値段で買ってもらえる
皆さんは目隠しをした状態でビールを飲み比べることができますか?
キリン、アサヒ、サッポロ、ヱビス...
当然、味には多少の違いがあると思いますが、意外と自信を持てる人は少ないのではないでしょうか?
けど、味の違いがわからないにも関わらず値段って違いますよね?
そう、私たちはブランドに左右されてその商品の価値を決め、お金を払っているんです。
もし、エビスを普段から飲んでいて、スーパドライ(約206円)とヱビス(約240円)の見分けがつかなかったらその人は約34円ほど損をしていることになります。
経ったの34円ならエビスを飲んで優越感に浸るわ!
ごめんごめん笑
本人が満足していたらそれでいいんだよ笑
今回はビールを例に出しましたが、アパレルとかになるとこの差額はより広がっていきますよね。。裏を返せば、強いブランドを築くことで商品の金額をあげることができるのです。
*「これくらいなら払ってもいいかな~」という額のことをWTP(Willingness to Pay」と言います。
ブランドを築くということはWTPをあげるということを意味するのです。
ブランディングとは?
少し勉強をしている人だと、ブランドだけではなく「ブランディング」という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。
ブランディングとは簡単にいうなら強いブランドを作るための一連の活動のことです。ただしこれも様々な定義があるので少し学術的に見ていきましょう。
マーケティングの研究者で有名なフィリップ・コトラー氏はブランディングを下のように定義しています。
ブランディングとは、「製品やサービスにブランドの力を授けることであり、ひとえに差異を作るプロセスといってよい。製品をブランド化するためには、製品に名称をつけ。さらに製品の識別に役立つ他のブランド要素を用いることによって、その製品が「何者」であるかを、また、その製品が「何」をするのか、消費者は「なぜ」気にかけるべきなのかを、消費者に教える必要がある
マーケティング・マネジメント
ブランディング = 製品やサービスにブランドの力を授けることと書いてありますね。そしてやはり差異をつけることの重要性も書かれています。
ただ、特に重要なのが後半部分!
その製品が「何者」で「何」をして、「なぜ」気にかけるべきなのか
ただ、差別化をするだけでは消費者は選んでくれません。顧客志向になり、何がブランドとして求められているのかを追求していく必要があるのです。
次章では、これがいかに難しいかについて解説していきます。
ブランディングの難しさ
ブランディングには学校のテストのような正解はありません。
これまでいくつもの本や研究が公開されましたが、他の人の研究を覆したり、疑問を呈しているものがいくつもあります。
そして何より日本のブランド力というのは、海外のブランドと比べるとドンドン下がっているのです!
先ほどは日本のブランドランキングでしたが、今度は世界のブランドランキングを見てみましょう。
Top 20でみると日本企業は7位のトヨタと20位のホンダのみ! ( ゚д゚)
なぜこんなにもブランディングは研究され続け、競合に勝つブランドを築くのは難しいのでしょうか
ブランディングとは精神構造
コトラーのブランディングの定義の続きをみると、このような一節があります。
ブランディングとは精神構造を作り、消費者が製品やサービスについての系統立った知識を形成し、意思決定が明確になるようにするのを助けることをいう。
マーケティング・マネジメント
ブランディングとは、精神構造を作っていくこと。
つまり、ブランドの最終判断をするのは顧客自身の心理であると言うことを忘れてはいけません。
企業側が「今回はこんな広告を打って、ブランドへの愛着を増やしてもらおう!」と意図していたとします。ただし、顧客がその広告を見て、メッセージをその通りに受け取ってくれるかは始めてみないとわからないのです。
わかりやすい事例だと、
大塚家具の社長が父→娘に変わるや否や赤字転落してしまった事例があります。
娘の久美子氏が行ったことは、これまでの「高価格帯」から「中価格帯」へと変更するという方針でした。ちょうどニトリやIKEAが躍進していたので、この方向に舵を切ったと言われています。
一見すると、価格が安くなるのでメリットしかないように感じますが、この変更がブランドを大きく毀損することになります。
大塚家具=高級ブランドのイメージが消費者に認知されていたにも関わらず、
低価格路線に走ったことで、消費者が大塚家具を選ぶ理由がなくなってしまった。
このようにブランドは非常に敏感なものであるが故、適切なブランディングを行うことは非常に難しいのです。事実大塚家具のこの件に関しても賛否が分かれていました。
終わりに
いかがだったでしょうか?
今回はブランドとは?という素朴な疑問に回答しつつ、できるだけ深く、学術的に解説していきました!
今後もより皆さんの理解が深められるコンテンツを書いていくのでチェックいただけると嬉しいです!
最後に今回参考にした本をいくつか紹介しますね。
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