日本史を学ぶ際の出発点となる縄文・弥生・古墳時代。
目立った登場人物や出来事が少なく、挫折してしまう人も多いのではないでしょうか。

まさに私がそのような理由で世界史を選考した訳ですが、もっと日本史を学んでおけば良かった...
自分って日本のこと全然知らないな...と悲しくなる場面がまー多いこと!


そんな人を増やしたくない!

「縄文・弥生・古墳」を簡単に理解できるまとめサイトが欲しい...!ということでこのブログを書いています。

後半にはより深掘りしたコラムも書くので、興味がある人は読んでね

縄文時代・弥生時代・古墳時代の違い

細かい前置きは置いといて、いきなり結論に入るとしましょう。

ズバリ、各時代はどう異なるのか?
各時代の特徴、生活の規範がどう変わったかさえ理解すれば、

人類 年代 社会の大きな変化 重要語句
縄文 1万3000年前~ 温暖化により多様な食料を獲得できるようになったため、一箇所に長く住み続ける定住的な生活が始まる。狩猟や採集が中心 縄文土器、弓矢、竪穴式住居、磨製石器、骨角器、貝塚
弥生 2,500年前~ 水田稲作が定着したため、食料を大量に生産できるようになる(=生産経済)。同時に貯蔵されている生産物を巡って戦いの歴史が始まる。 高床倉庫、青銅器、鉄器、金印、邪馬台国
古墳 1,700年前~ 畿内を中心に(諸説あり)「大和政権」という連合体が成立し、東西にその影響力を及ぼすようになったと推測されている。 古墳、埴輪、朝鮮半島、氏姓制度

大きな流れとしては、

・縄文時代では狩猟や採集が中心であること。

・弥生時代で水田稲作(特に米ですね)で食料が生産できるようになったこと。

・古墳時代では権力の表れとして巨大な古墳が各地に誕生したこと。

を覚えておけば、時代のおよその流れは説明できるでしょう。
ここからは各時代をさらに細かく見ていきます。

縄文時代

縄文時代の始まりは約1万年前、気候変動の影響でユーラシア大陸と陸続きになっていた日本は独立。今の日本列島が出来上がります。
気候変動は動物・植生にも変化をもたらします。

わかりやすいところで言うと、それまで生息が見られたナウマンゾウ・ヘラジカなどの大型獣に変わって、動きの早いニホンシカやイノシシが生息するようになるんですね。

そして道具もそれらの変化に合わせたものへと進化していきます。
代表的なのは縄文土器と弓矢ですね。

動物
大型動物(ナウマンゾウ・ヘラジカ) → 小型動物(ニホンシカ・イノシシ)

道具: 動きの早い動物を獲るために、槍から弓矢に移行

植生

針葉樹林 → ブナ・カシなど食べられる実が増えていく

道具: 煮沸調理が必要なため縄文土器 を考案

縄文土器 - 生活用具としての機能とは別に装飾や模様など芸術的な側面も見られる

また女性の形を象った土偶が作られ始めたのも、この縄文時代です。

縄文時代の重要語句


竪穴式住居

骨角器

貝塚

弥生時代

弥生時代の特徴は農作と朝鮮からの金属器の伝来です。
農作が始まったことにより、集落が生まれ、それらは蓄えを持つことができるようになり、やがて政治的なまとまり(= 国)を作っていきます。

集落が形成され、社会の複雑化が進展したため、
弥生時代の人々は、集落や交易など、より広範囲での社会的なつながりを重視しました。

また安定して食が供給できるようになったため、人口も大幅に増加。
日本の人口は縄文時代の最大人口の27万人から約60万人まで!弥生時代でなんと約3倍に伸びます。

しかし、社会が多様化すればするほど、争いは避けられないもの....
蓄えられた生産物をめぐって集落間の争いが起きました。

当時の集落には、倉庫や住居を堀や土塁で囲って守った環濠集落など当時の名残が見られます。
佐賀県にある吉野ヶ里遺跡はその代表例ですね。

吉野ヶ里遺跡の外濠の様子(土塁と柵、逆茂木・乱杭など)

朝鮮から伝わった金属器は大きく鉄器と青銅器に分かれます。
鉄器は主に農具として使われ、青銅器は祭祀に使われる銅鐸 (鐘のように振り鳴らして豊作を祈っていたと考えられる)や武器としての銅剣や銅矛として使われることが多かったそうです。

桜ヶ丘11号銅鐸 - PICRYL - Public Domain Media Search Engine Public Domain Image


邪馬台国

日本が3世紀を迎えていた頃、中国では後漢が滅び、三国時代を迎えていました。
(それまで夏→商→秦→漢の変遷があったと思うと、中国の歴史の長さに圧倒されますね...)

この時代の日本は、ムラ同士が食料や水を互いに求め、乱戦状態であったと中国の歴史書「魏志」倭人伝に記載されています。
ムラ同士の争いによって、クニが生まれ、クニ同士が激しい争いを続ける内に一つの大きなまとまりが誕生します。

それが邪馬台国です。

そしてその邪馬台国を統べたと言われているのが卑弥呼。
彼女は鬼道と呼ばれる占いによって天候を言い当てたり、巫女として神の声をくことができたなど未だに謎の多い人物です。

ただ卑弥呼は当時の中国 (魏)とも積極的に交流を行い、多くの銅鏡や称号を与えられたりしています。

邪馬大国はどこにあったのか論争


卑弥呼が治めたとされている邪馬台国。その所在については今日でも大きな論争を呼んでいます。

有力なのは「九州説」と「近畿説」の二つ。
九州説は「魏志」倭人伝の記載を参照する説で、そこにはハッキリと「東南大海の中に在り」と南にあったと書かれています。

対する「近畿説」は、のちのヤマト政権 (近畿を中心としてた) の前身が邪馬台国だったのではないかとする説。

「九州説」は「魏志」倭人伝の1行という限られた史料を信頼するしかないのに対し、状況的証拠として、邪馬台国と同時期に造られたと考えられる古墳が次々と見つかっていることから、邪馬台国とヤマト政権に繋がりがあるとする「近畿説」が学者の間では有力になっています。

古墳時代

弥生時代の末期から邪馬台国のような強い政治的なまとまりとしての国家が現れましたが、古墳時代には全国的に統括・支配をしたヤマト政権が生まれます。


古墳とは権力者の墓のことですね。
具体的には、畿内(現在の関西)を中心に巨大な前方後円墳が、
そして北は東北から南は九州まで各地で権力者を祀った墓(古墳)が見られるようになります。

2019年に世界遺産に登録された大仙陵古墳は前方後円墳の代表例です。

大阪府堺市にある仁徳天皇陵古墳(=大仙古墳)

この大仙陵古墳の大きさは 縦486m × 横305m 。クフ王のピラミッドや秦の始皇帝陵を凌ぐ大きさで、1日あたり2,000人を動員しても建設に16年かかると言われています。これだけで王の権力がいかに強大だったか感じとれますね。

古墳時代は一見、日本史で習うと地味に感じてしまうパートなのですが、
非常に重要な出来事がいくつかあります。

1. 儒教・仏教の伝来

2. 氏姓制度の確立

です。

日本文化の核となっている仏教。そして何度もテストや提出書類に書いてきた「氏姓」はここから来ているんですね。

儒教や仏教の違いや成り立ちは別の機会で解説するとして、ここでは「氏姓制度」にスポットライトを当ててみましょう。

氏姓制度

ヤマト政権の政治は大王とその周辺を支配する豪族によって支配されていました。
それらの豪族は、「」というという血縁的な組織に編成され、その代表となった氏上を中心に他の氏人達は政治へと参与します。

(だいぶ国の統治が組織的になってきましたね...!)

そして、それぞれの氏の政治的な地位、性格に応じて「」を与えます。

氏の名として地名を表した「葛城」や「蘇我」、役割に基づいた「大伴」「物部」「中臣」などがあります。
ここら辺はちょくちょく聞いたことのあるものが多いのではないでしょうか。


姓はというと、臣→連→君→直→造→首→史があります。
ヤマト政権の中心となる有力豪族には「臣」を与え、さらに下の地位の豪族には「連」を与え、、、と階層にこれらは割り当てられていました。

つまり、氏と姓を組み合わせた称号を与えることで、(「蘇我臣」のように表すことで)その人の家柄と政治における立場を表したのでした。

百世不磨の神宿る島


古墳時代に朝鮮半島と交流があった痕跡は世界遺産にも残っています。

玄界灘(九州の北西部)に浮かぶ沖ノ島はヤマト王権の対外交流を遺す島として2017年に世界遺産に登録されています。

日本列島から朝鮮半島へと向かう際の航海の目印となる島であり、海の航海の安全を祈る場所として古くから信仰を集め、祭祀が行われていました。

祭祀に使われたとされる約8万点もの奉献品は、その全てが国宝に指定されています。

島全体が信仰の対象であったことから「神宿る島」として島への上陸は禁忌となっており、 自然崇拝に基づく古代祭祀の遺跡がほぼ手つかずの状態で残っています

かつては毎年選ばれた約200人の男が上陸を許されていましたが、世界遺産の登録以降、一般人は誰1人立ち入ることができません。

まとめ

いかがだったでしょうか。
縄文→弥生→古墳と時代の流れを解説をしてきましたが、まだまだ解明されていない謎がこれらの時代には多く、
新たな発掘や調査次第では、教科書で習った内容が180ガラッと変わってしまうかもしれません。

邪馬台国の出自の論争が現在も続いているように、日本の成り立ちを追求していくロマンに魅了されているは少なくありません。
今回は、大まかな流れを解説していきましたが、特に古事記や日本書紀の重要性は高く、どこかのタイミングで解説できればと思っています。

また会える日を楽しみに。ここまで読んでいただきありがとうございました!

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